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皮下点滴

2023.02.03

皮下点滴

在宅で点滴を実施するときに皮下点滴を提案すると「皮下点滴って何? 点滴は点滴でしょ?」というような言葉を聞く事があります。普通は点滴と聞くと実際に受けた事がある方、医療ドラマで観た事がある方は専用の針を腕や足の血管に刺して液体を直接血管内に入れる処置を想像されたのではないでしょうか。この処置は静脈点滴と言います。

皮下点滴は専用の針を皮膚の下の脂肪に刺してそこに液体を入れていく処置です。持続皮下輸液、持続皮下注射とも。針を刺す部位は腹部、胸部などが多く、薬液は医療用麻薬から栄養剤まで多岐にわたります。脂肪やその周囲に貯留した液体は時間とともに血管内へ移動して吸収されて効果を発揮します。適切な薬液を選択すれば静脈点滴も皮下点滴も効果は同等であると言われています。

では、どんなときに皮下点滴を選択するのでしょうか。血管が細くて針を刺すのが困難だったり、血管が弱くて液体を入れると圧力で裂けてしまう状況だったりと静脈点滴が難しい方の時に選択する事が多いです。利点としては誤って点滴の針が抜けたとしても出血することは稀であり、医療従事者でなくても慌てず処置できます。また、血管内に針が刺さっている場合と比べて違和感が少なく、日常生活に影響が少ないと言われています。

実際に、在宅でもご家族への指導により皮下点滴の交換や処置を行っていただくことが可能です。また、PCAポンプという専用機器を使えば、患者様がご自分で医療用麻薬を投与することができます。ボタン一つで決まった量が出て、規定量に達するとロックがかかるようになっています。楓の風でも多くの末期がんの方の緩和ケアとして活用されています。

もちろん欠点もあります。一度に大量の薬液や栄養分が多く入った薬液は使用できません。また、心臓や腎臓が弱って全身が浮腫んでいる様な方にも不向きです。楓の風では医師が全身状況を視て適切な処置を提案しますのでご安心ください。

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