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訪問診療での空気の乾燥によるトラブル対策

2023.01.25

訪問診療での空気の乾燥によるトラブル対策

乾燥注意報がこのところ、気象庁から発表されています。乾燥注意報は「空気の乾燥により災害が発生するおそれがあることを予想したときに発表(気象庁より)」されます。このような時は楓の風の医師たちも身を引き締めています。なぜなら、1月、2月は1年のうちで最も空気が乾燥し、ウィルス感染や肌の乾燥による患者様のトラブルが発生しやすい時期だからです。訪問診療においても患者様の病状悪化を未然に防ぐ、あるいはできるだけ最小限に留められるように次のことに心掛けています。

(目次)

  1. 療養に快適な温度、湿度
  2. 家の中でも1枚の上着で体温調整を
  3. 心と身体に優しい日々の提案

1.療養に快適な温度、湿度

医師は診察だけでなく、患者様の療養環境にも気を配っています。例えば、部屋の温度・湿度が適切かどうかで、皮膚の乾燥から起こる褥そう、えんげ障害や誤えん性肺炎などを招きかねません。冬の時期は気温20℃前後、湿度は50~60%を目安にエアコンや加湿器等で調整していただくようにアドバイスしています。また、皮膚のトラブルを防ぐためにも保湿クリームは欠かせません。特に寝たきりの方は保湿するタイミングで身体を動かすため、褥そうの予防にもなります。

2. 家の中でも1枚の上着で体温調整を

家の中を移動する際の気温の変化にも一工夫が必要です。ご高齢者は生理機能が低下して、体温の調節がしにくくなっています。気温の変化によって血圧が変動すると、心臓や血管に負担がかかりヒートショックを起こすことがあります。1枚上着を羽織ってから廊下やお手洗いに行くとよいといったお話もさせていただいています。特に認知症の方は体温の調整がしづらいのですが、気温の変化にも気づきにくいため周りの方がさりげなく声を掛けるとよいでしょう。こうしたお住まいでの体温調整が叶うと、健康寿命が4歳伸びるとも言われています(伊香賀俊治ほか「住環境が睡眠・血圧・活動量に与える影響に関する大規模実測調査」2014-2016)。

3. 心と身体に優しい日々の提案

日々のちょっとした心がけが、思わぬ病気を引き起こすことを防ぐこともあります。訪問診療での治療は薬物療法だけではありません。身体に負担の少ない日常生活上のアドバイスをするのも在宅医の仕事です(「居宅療養管理指導」)。

楓の風が診療する町田市を中心としたエリアも、本日乾燥注意報地域に含まれています(2023年1月25日現在)。手洗い、うがいをこまめに、そして加湿器等を利用してウィルスや肌の乾燥から身体を守りましょう。

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