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自分でできる看取り難民対策

2022.12.02

自分でできる看取り難民対策

看取り難民の推計数は、地域差はあるものの2030年の時点で40万人以上、2040年には49万人とも推計されています(中央社会保険医療協議会「平成23年わが国の医療についての基本資料」)。私たちが取るべき対策は家で看取られる在宅医療とも言われていますが、質の高い、信頼のできる在宅医療はどのように探したら良いでしょう。ご自分の意思決定を支えてくれる終末期医療の情報は、身近な方が持っているかもしれません。

「近所の人から町田市にある楓の風が良かったって聞いたんです。その方は本当に安らかに逝かれたそうです」。退院後のご主人の療養生活を支えてほしいと、奥様より私たちに訪問診療をご依頼いただきました。

ご主人(80代)は骨折がきっかけとなって入院した病院で、末期がんと診断されました。治療は希望されず、余生は痛みをなるべく和らげて穏やかに過ごされたいとのことでした。

一般的に医療機関にかかるときの情報の入手先は外来も入院も「家族・知人・友人の口コミ」が全世代で7割以上です。ただ実際にその医療機関を選んだ理由の第1位は「医師による紹介」で、外来では4割近く、入院では5割以上を占めています(厚生労働省「平成29年度受療行動調査」)。

現在、楓の風の患者様の9割以上が、医療機関や行政などから紹介を受けられた方です。ご本人やご家族が訪問診療を探された方は1割もいません。

先述の方も病院から紹介された医療機関があったそうです。けれども、ご主人との間で「万一の時」には楓の風に決められていたとのことで、私たちと退院調整をしてもらえるように病院にお願いされたそうです。今回のご夫婦のようにご自分で終末期の医療機関を探される方が、今後は増えてくるのではないかと私たちは考えています。

これまでの人生を自分で選び取って生きてきたように、残りの人生も自分で意思決定したい。そのための医療機関も自分で選び取っていく。そんな時代になっていくのではないでしょうか。

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