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2022.08.14
在宅療養支援診療所は24時間365日連絡が取れる訪問診療所のことをいいます。どんなに体力に自信がある訪問医でも、一人ひとりの患者様に対して24時間365日体制を実現することは難しいのが現実です。ですから、楓の風では患者様一人ひとりを医師全員が診られる体制をつくっています。医師同士がスクラムを組んで知識を向上し、経験を積んでいく。そうして、医療の質を全員で担保しています。
2012年2月「在宅療養支援クリニック かえでの風」は町田市木曽に訪問診療に特化したクリニックとして開設しました。開設10年を迎えた現在はクリニックが5か所となり、訪問診療の範囲は町田市、横浜市以外に相模原市、川崎市などへも広がっています。
クリニックが複数になった楓の風がより意識していること。それは、どのクリニックであってもどの在宅医であっても患者様が同じ治療やケアを受けられること。医療の質が担保されていること。この2点です。
楓の風が掲げる医療の質は「病院と変わらない医療」。医師の勉強・経験不足から「できない」ということがない態勢を整えています。入職後はどんなに長く豊富なキャリアを積んだ医師であっても研修を受講してもらいます。研修後も患者様のご病態に関することから最新の医療情報まで網羅して知見を共有。それぞれの専門領域に関する知見を交換したりすることで日々お互いを高め合っています。こうして、楓の風の医師は元々の専門領域に留まらない知識と経験を蓄積することができるのです。
具体的には、入職した医師には全員メサペインというオピオイド系の医療用麻薬の処方ができるように試験を受けていただきます。メサペインはモルヒネの300倍も強力な鎮痛剤です。楓の風の患者様は6割以上ががん疾患なので、疼痛コントロールが難しい患者様にも最大限の緩和ケアができるようにしています。
また、血液疾患を専門とする医師が入職した際には、クリニック全体のための輸血のガイドラインを作成してもらい、医師全員で共有。クリニック全体で血液疾患の患者様を受け入れる態勢が整いました。
訪問医同士がスクラムを組んで自分たちのスキルアップに励むことは、患者様のスムーズな受入れにもつながります。また、非常事態が起こっても、動ける医師がピンチヒッターを担うことができます。ちなみに、5クリニックの訪問診療地域は幾重にも重なっているため、お互いが連携しやすい環境となっています。
このように、楓の風では持続可能な在宅療養支援診療所を実現しています。今後も、私たちは24時間365日体制で患者様やご家族、私たちと連携いただく医療・介護従事者の方々が安心して在宅医療を利用できる体制を強化して参ります