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在宅医療より病院が安心?

2022.05.23

在宅医療より病院が安心?

病院医療から在宅医療に移行する際に、心配されたり、不安がられたりするご家族は多くいます。楓の風にも総合医療相談員の元に日々さまざまな相談が寄せられます。

先日も末期がんで終末期を迎えるお母様について、お嬢様からご相談がありました。「入院している母が家に帰りたいと言っています。母の希望を叶えてあげたいのですが、日中は仕事で母のことを看てあげられません。誰もいないときに母に何かあったらどうしようという不安があります。いつでも看護してもらえる病院の方が安心でしょうか」。 よくよくお伺いしたところ、一番はお母様のお気持ちを優先されたいとのこと。お母様は家に帰れるなら、1人でいる時間があっても大丈夫だとおっしゃっている。しかし、お嬢様はもしものときの不安がぬぐえないとのことでした。

そこで、次のような話をしました。お母様を最期まで見守りたいというお気持ちはわかります。ただ、家で看取ると言っても、ずっとそばにいる必要はないこと。第一、お母様ご自身もお嬢様に片時も離れず見守られていたら、疲れてしまうのではないかということ。

息を引き取るときは、多くの方が誰もいないときにそっと逝かれます。それは、病院でもご自宅でも同じです。みなさんに見守られる中、亡くなる方の方が少ないのです。 大事なのは、ご本人がどこで過ごされたいかということです。

お母様が住み慣れた場所で最期まで過ごされることは、お嬢様からできる最後の親孝行です。同時に、お母様の生き方をお見せすることはご本人からお嬢様にできる最後の子供孝行といえるかもしれません。

(この記事は事実を元に再編集しています。)

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